「赤とんぼ」の素朴さとはかけ離れた犯罪

教え子であり研究パートナーでもある女子大学院生を、妻子のある准教授が殺害した事件。おそらく不倫の末のことであろう。

2人が連れだって活動(赤とんぼ研究)する姿を映像で見るにつけ、私は別の2人を思い出す。
それは私の働く職場にいた2人である。

男は部署のリーダー(所属長)で、女はその部下だ。
男は妻子持ち、女は男より10歳ほど年下で独身だ。

その関係を、私は後輩から知らされることとなる。
「幡さ~ん、ちょっと聞いてくださいよ~、私、見ちゃったんです! ◇◇(レジャースポット)で、リーダーと△△さん(女性部下)が一緒にいるところを!」

びっくりした。全く知らなかった。
でもそう言えば・・・。とあることが頭をよぎる。

私が会議室に入ると、先に入っていた2人にすごくギョッとされたことがあるのだ。
何かただならぬ雰囲気だったような・・・。

かつて私は、その女性のことで、リーダーに少し苦言を呈したことがある。
うへぇ~、それもツーツーだったんかなぁ・・・。
それに、「オレの女を悪く言うな!」って思われたかも。

部署内にその関係が知れ渡っていることを知ってか知らずか、2人で行く必要のない出張に毎週のように連れだって行っていた。

私はそこが一番許せなかった。公私混同も甚だしい。
それに、経費で不倫旅行なんてセコ過ぎる・・・と思うのだ。

仕事もしづらいし、気も散るし、ヤだなぁ~と思った。
どうにかしたいと思った。

他人の意見としては2通りあった。

1つは「ほっとけばいい。気にせずあなたは自分の仕事に打ち込めばいい」
もう1つは「もっと上の人間に言いつけるべき」

どっちも無理だぁ~。
耐えるしかないのかな~?と思っていたところ、異動が発表された。

男性の左遷である。
私ではない誰かが、例の件を密告したのかなぁ~。

発表当日の朝、女性は泣きはらしたような目で出社した。
いち早く男性から報告を受けてたのだろう。

その後、女性の方も転勤になり、2人の行く末はわからない。
いや、情報通の人間がいるので、その人に聞けば必ずわかるのだが、聞けなかった。
聞きたくなかった。

もし2人がゴールインしてたら、男性の奥さんや子どもたちのことが気の毒で。

特に子どもたちね。
休日だって、子どもと過ごさずに、女と過ごしてたワケだから。
それも嘘をついて。

だから今回の事件も、奥さんや子どもが気の毒で。
こんなカンケイ、当事者も周囲も、ほぼ皆、不幸になるからヤメてくれ。

コメント